コンテスト

常総きぬ川花火大会2012・花火写真コンテスト

開 催 日:2012年8月18日(土)
応募締切:2012年9月28日(金)
審 査 日:2012年10月1日
応募者数:49名
応募点数:87点
審 査 員:小野里公成[花火写真家]

講 評

応募作品を順に見ていくと、この大会のベストシーンがどこだったのか?が明瞭にわかります。花火的にそうだったのかもしれませんし、また他のシーンでは撮影条件が良くなくて、結果に反映されなかったのかもしれないと判断できます。同一シーンが集中するとき、微妙なタイミングや構図のセンスで優劣が分かれますし、花火の色合いも注目するところです。デジタルカメラが全盛となり、どこまで撮ったときの花火の印象や色彩を最終的な作品まで管理できるか?が鍵になっているといえるでしょう。撮るタイミングや写った花火の量、構図などは撮ったその時に決まってしまいます。そして露出により色合いや明るさもある程度決まってしまいますが、現像するときにどれだけ本来の花火の姿を再現できるか?が作品の良し悪しを左右するのだと思います。
四つ切りという本来の撮影時の縦横比とは違ったサイズにプリントするわけで、その際にトリミングやもう一度構図のセンスが問われます。選者が判断する対象は、応募されたプリントだけですから、撮影だけでなくプリントそのものまで納得のいく作品づくりを目指して下さい。

推薦

茨城県知事賞

「鬼怒川反映」

塚田 良治(土浦市)

寸評

絢爛にして豪華な作品になりました。鬼怒川への反映も豪華で黄金の川のようです。上空の小花群を画面外に逃していることがより壮大な迫力を加味して成功しています。

特選

茨城県議会議長賞

「円舞曲」

藤野 芳正(館林市)

寸評

ミュージックスターマインの半円に展開する打上空間の中心部を縦に捉えて成功しています。これより寄せても窮屈ですし、丁度良いフレーミングが迫力と緊張感を生み出して爽快な一枚となりました。

準特選

茨城県商工労働部長賞

「常総ワンダフル花火」

古川 靖史(朝霞市)

寸評

この瞬間の作品は実に多く応募されましたが、この作品はタイミングと空間内の開花量の適切さもさることながら、個々の花火がきちんと本来の色に近く発色している点に心惹かれました。撮影だけでなくプリントという作品に結するまで作者の行き届いた気配りを感じます。

準特選

茨城県観光物産協会長賞

「常総夏の風物詩」

大島 正美(横浜市)

寸評

まさに絵になるタイミングで咲いた花々のバランス良い作品です。全部が綺麗に入りすぎて若干迫力が足りないかと思います。もうひと回り寄せて撮るかプリントしてもよいと感じました。

入選

常総市長賞

「舞扇」

菊池 健一(世田谷区)

寸評

おそらく承知されているとおり若干重なりすぎました。その分豪華でボリューム感は出ていると思います。物量の問題だけではなく、タイミングは的確ですし、個々の発色がきちんとしている点も良いと思います。

常総市議会議長賞

「天の川のように」

成島 正人(守谷市)

寸評

やや暗い目で難しい青の発色を綺麗に写し取りました。大玉との同居バランスもよく清々しい作品になっています。

常総市観光物産協会長賞

「煌めく星たち」

吉田 和男(太田市)

寸評

露出の難しい和火もの展開のシーンですが、上手にとらえています。風に運ばれる葉落ものが動きを与えて静と動を感じるワンシーンになりました。

常総きぬ川花火大会会長賞

「夏空のローズガーデン」

河合 洋(名古屋市)

寸評

構図も収まりもよく難しい青と紅のグラデーションの星が次々に咲く瞬間を押さえています。若干アンダー目だと感じますが色合いは良いと思います。

常総きぬ川花火大会会長賞

「開幕の宴」

菅野 斗施雄(さいたま市)

寸評

華々しい開幕の瞬間を上手に捉えました。オープニングのナイアガラ富士と共にこれから始まる花火大会への高揚感が凝縮しているようです。

審査員特別賞

「胡蝶の舞」

星野 正幸(流山市)

寸評

表題のとおり、花に遊ぶ蝶々のような一瞬に心和む作品です。それぞれが単独では成り立たず、組み合わせの妙といえるでしょう。

「聖礼花~パステルカラーの星に願いを込めて~」

鈴木隆宏(宇都宮市)

寸評

発色の難しいパステルカラーの割物を的確に捉えて気品のある作品です。地上部分も入って窮屈にならない程度に開花した高さを感じます。