コンテスト

常総きぬ川花火大会2013・花火写真コンテスト

開 催 日:2013年8月31日(土)
応募締切:2013年9月30日(月)
応募者数:69名
応募点数:130点
審 査 員:小野里公成[花火写真家]

講 評

天候に恵まれましたが、やや風が強く開花が流され気味で、特にスチル撮影には少なからず影響するコンディションでした。ベテラン勢はそうした風の影響も考慮した対象選び、フレーミングで適切な作品づくりをしているようで、安定した良作が寄せられたと思います。また、下流の豊水橋が工事中でしたので、ここからの狙いは全く無いかと思いましたが、多数応募がありました。同様にこのアングルが使えないことで別の場所をあたったり、定番のアングルからではない作品も見られて内容が充実していたと感じました。
同じシーン、同じ瞬間でも撮っている場所ごとに写真にとって最適な花火の分量が違います。場所ごとに露光時間や、その瞬間に開いている花火の数はそれで適切か?が違うのです。真正面から横位置で撮るとまばらに見える開花も斜め方向からの縦位置では互いが重なり合って密になります。さらにそこにプラスアルファの開花やアクセサリーを追加するか、止めておくかどうか?のセンスが作品の良し悪しになります。
今回も熟達の常連応募者が名を連ねた恰好になり、選んでから応募票を見るたびに苦笑していました。入選された皆さんを含め皆さんお上手で、僅差の接戦による選考の難しさより、単純に作品の中の素晴らしい光景を楽しませていただきました。

推薦

茨城県知事賞

「常総劇場・衝撃のスターマイン」

古川 靖史(朝霞市)

寸評

夜店や花火に照らし出された有料席の雰囲気が良く描写され、臨場感と共に花火の大きさ高さを感じます。中空域の銀にもう少し眩しさがあれば、と思うのですが、ダイナミックな瞬間を確実に捉えてセンスのいい技量を発揮しました。

特選

茨城県議会議長賞

「八方咲の煌めき」

藤野 芳正(館林市)

寸評

全体に明るめに撮られていながら八方咲の銀芯は飛んでいないという、上手な処理がされ階調豊かな仕上がりになりました。色彩も美しく八方咲だけが乱舞する瞬間で抑えたところはすっきりして効果的だったと思います。

準特選

茨城県商工労働部長賞

「情熱のオレンジ」

大島 正美(横浜市)

寸評

この瞬間の応募作が少なかったのが意外でした。丁度よい物量感で実に冴え冴えとすっきりとまとまっています。縦位置の構図も的確だと思います。ワイドものにしては静かに感じるのは画面下部の夜店の下の暗部が若干多いので、その分感動空間から一歩引いた感じになっていると思うのです。

準特選

茨城県観光物産協会長賞

「初秋の風便り」

菊池 健一(世田谷区)

寸評

安定した技量による素晴らしい作品です。この間の花火の散り具合は縦位置で切り取りたいところでしたので、全体に良いバランスだと思います。しかし私的には八方咲だけでまとめたいと思う瞬間なのでした。

入選

常総市長賞

「華道」

塚田 良治(土浦市)

寸評

その瞬間を捉えるタイミングも露出も適切で、対岸から広角系を使って大胆に入れ込んだ構図は熟練の中にオリジナリティを感じます。欲を言えば美しい川面の反映をもう少し入れたいところです。

常総市議会議長賞

「情熱~踊る花火たち~」

鈴木 隆宏(宇都宮市)

寸評

雰囲気のある夜店群を前景に難しいワイドスターマインの瞬間を的確に捉えているのは確実な腕前を感じます。それだけにこの角度では若干玉が多すぎて重なり過ぎてしまったかと欲を言ってしまうのです。

常総市教育委員会教育長賞

「八方咲・青のブーケ」

大藤 和良(つくばみらい市)

寸評

一連の打上げの中で、表題に相応しい素敵な青の世界を切り取りました。若干入った川の映りもいい感じです。多少斜め角度では玉数が多い気がしますが、星の流れ方向も考えた構図で収まりよくまとまっています。

常総市観光物産協会長賞

「虹色のブーケ」

星野 正幸(流山市)

寸評

同じ玉の応募の中では最も露出と発色も良く、綺麗にプリントされた撮影からプリントまでの一連の処理の見本のような作品です。流れる方向を考えた配置で美しく仕上がりました。

常総きぬ川花火大会会長賞

「銀彩の華」

池谷 友子(富士宮市)

寸評

連続した打上げの前後を上手にミックスしてバランス良く決まった作品になりました。若干下が窮屈なので、もう少し上下空間を入れたいところです。

審査員特別賞

「きぬ川紅葉」

神田 卓雄(常総市)

寸評

豊水橋が幌を被った状態なのが残念な今回ですが、花火と自然とのマッチング、橋と川面の雰囲気が一番良く出ていた作品です。それなりに大きい架橋よりさらに花火は大きい、とスケール感も高さも上手に表現できています。

「夢は夜ひらく」

山上 徹(坂東市)

寸評

発色の課題は残すものの、目の覚めるようなダイナミックな構図を買いました。私もなかなかこうした大胆な思い切りができません。花火の持つ衝撃とか驚きの部分を見せてくれる作品です。